![]() | 価格 : 650円(税込み) 在庫 : 2 発売 : 2008/09/12 伊坂 幸太郎 文庫 講談社 |
レビュー
期待が大きかっただけに ... 2010/01/06
解説が斎藤美奈子ということもあり、手に取りました。
台詞のキャッチーさ、格好良さは流石です。
しかし、読了するのが少し辛かった。
途中で失速しました。
何よりも、女性の描写が生理的に、私には受け付けなかった。
それでも好きですけどね、伊坂幸太郎。
初期の作品化から、何か筋が一本通っていて、ぶれていない所が好きです。
エンターテイメントに留まらず、上昇していって欲しい作家です。(エンターテイメントを否定しているわけではありません)
そんな期待も込めて、今回はこの評価で。
面白かった。一気に読めました。 ... 2009/12/13
何も知らず先に「モダンタイムス」を読んでいたので、そのせいもあってか一気に読めました。
順序としては逆なのでしょうが、十分楽しめました。
今の鳩山さんよりも小泉さんを彷彿させる政治家が登場し、超能力を持った小市民がその能力に気付いて自分なりに闘いを挑むところなど、10代の頃に夢中になった筒井康隆や眉村卓を思い出し何となく懐かしいSF小説を読んでいるような気分になりました。
今までの伊坂作品とは少し違っていて、個人的に伊坂ワールドを一つのエンターテイメントと捉えている分には、それも悪くないと思いました。
匠のワザ ... 2009/11/03
匠だ。匠である。ユーモアと読みやすい文体で体が伊坂ワールドへどんどん吸い込まされていく。話自体は何気ないのだが、作者自身が日頃感じている何かを小説という形で解説しているようだ。確かにそうだと思うことがある。その一例だが同時多発テロ9.11事件が起きたその後だ。テロ撲滅の名のもとに、アメリカはイラクを攻撃。そのイラクは核はないと明言しているのに攻撃し、持っていると明言している北朝鮮には攻撃しない。これはおかしな話だ!テポドンなんて危険すぎるものも実際撃っている。なにかがおかしい。アメリカは勝手に戦争をおこし後始末を色々な国を巻き込みながら突き進んで行く。伊坂は、さりげなくそして痛烈に批判しているではないか?政治は、だれかが、どこかに利益があることによって、だまされ誘導され続けているじゃないのか?('д`)若い力は未来を考え年寄りは老後を考えた政治をするんじゃないのかなどの伊坂語録は、考え深く二度三度読んでも楽しめます。この読み物は、超能力物かなと思わせつつユーモアと匠の筆さばき、作者の思想で描かれたさりげない傑作なのです。
追伸、25回の紙折は小話にも使えますm(__)m
政治と未来 ... 2009/10/18
2005年に出た単行本の文庫化。続編に『モダンタイムス』(2008年)があり、合わせて読むべきだろう。
本書は「魔王」と「呼吸」という2本の中篇からなる。非常に政治的な内容で、全体主義への警鐘を鳴らすような作品だ(著者は政治的な意図はないと言うものの)。そこに超能力がからみ、一種の寓話とでもいうべきものに仕上がっている。物語としての魅力も十分だし、いい本であった。
それにしても、初期の作品とくらべると、伊坂氏も随分と読みやすい小説を書くようになったものだ。
政治と超能力 ... 2009/10/03
もとから社会的メッセージを含ませるのが作風だったが、今回はついにメインテーマとして政治を扱っている。
とはいっても作風は変わっていない。重々しい感じではない。
いつものように軽快な会話が繰り広げられている。
超能力という堅苦しさとは正反対の要素を入れることで、うまくバランスをとっているように感じた。
実際はそうでもないのだが、むしろ超能力の話の中に、政治が紛れ込んでいるようなそんな印象。
珍しく、著者の考え方が表面化しているセリフが多い。
だが、その主張を得意の圧倒的に楽しい会話の中に含ませているので読みやすい。
あまり深く考えずに読むもよし、きちんと政治のことも考えながら読むもよし。
とくに「呼吸」での憲法改定にまつわる台詞には考えさせられました。
けっこう鋭いことを書いていると思いました。
「ってことはさ、逆に言えば、世界とか環境とか大きいことを悩んだり、憂慮する人ってのは、よっぽど暇で余裕のある人なのかもしれない。小説家とか、学者とか、みんなさ、余裕があるから、偉そうなことことを考えるんだって」
「この国の人間はさ、怒り続けたり、反対し続けることが苦手なんだ」
この2つはけっこうお気に入りです。
個人的には、潤也が超能力で遊ぶ件が好きです。
なんだかわくわくしました。
「おまえ達のやっていることは検索で、思索ではない」これはモダンタイムスへのつながりを感じます。
