価格 : 660円(税込み)


在庫 : 2
発売 : 2008/08/05

東野 圭吾
文庫
文藝春秋
レビュー
  • 直木賞とは知らなんだ ... 2010/03/03

    東野氏の探偵ガリレオシリーズの一つ。直木賞受賞。

    数学者で高校教師である石神は隣人の靖子に思いを寄せる。ある日突発的に靖子が殺人事件を犯してしまうことから事件が動き出す。事件を知った石神は思いを寄せる靖子を救うため、完全犯罪を画策する。

    折りしも警察から依頼を受けた天才物理学者ガリレオが調査に乗り出すと、そこには大学の同級生でもある石神がいた。事件への石神の関与を次第に疑いだしたガリレオは、石神の練った緻密な論理に挑んでいく。

    この論理を紐解く過程がこの小説の醍醐味であるといえる。

    物語の終焉については賛否両論あると思います。が、少しでも気になる人は読んで損はないと思う。

    東野氏の小説は表現が直接的すぎるため、行間に味を感じませんが逆にそれが推理小説には合っているのかも知れない。他のガリレオシリーズよりは出来がいいように思うので星4つ。

    好みが分かれる一冊。
     
  • 《探偵ガリレオ》シリーズの第三作 ... 2010/03/03


    本作で用いられているトリックは、非常に古典的な
    パターンに、大胆かつ斬新なアレンジを加えたもの
    (盗難自転車という小道具が、印象的かつ効果的)。

    日時に関する記述や日常描写の何気ない変化に着目し、注意深く読めば、早い
    段階で本作のトリックを見抜くことも可能とは思いますが、よく練られ、人間ドラマ
    のプロットと緊密に連動するように逆算されたものであるのも間違いありません。

    そして、そのトリックを可能ならしめた、石神という特異
    なキャラクターの人物造形こそが本作最大のキモです。


    石神は、殺人を犯したヒロインに無償の“献身”を捧げますが、その“献身”とは
    己の内に存在する美や理想に殉じる行為に他なりません。極端な話、ヒロインは
    そうした観念の代替物に過ぎないです(もちろん、石神がヒロインに惚れていない
    わけではないのでしょうが)。

    そんな石神を、“キモい妄想野郎”と指弾するのは簡単ですが、人間誰しも、
    大なり小なり、石神的な心性を抱えていることは忘れてはならないでしょう。


    とはいえ、“純愛”の犠牲となったある無辜の人物や、フィナーレのお膳立てという
    作者の都合で悲惨な運命に見舞われることになるヒロインの娘などの脇役たちに
    本作の、物語としての歪みが集約されているとは思いますw





     
  • 献身という言葉の重さ ... 2010/02/08

    映画を見てから読んでみた。献身と言う言葉の重さであり後味のどことなくほろ苦いような何とも言えない気分にさせられる。
    最後の2ページくらいは思わず2度読み返した。献身とは「切なさ」が残るものなのですね・・・
     
  • 傑作だと思います ... 2010/02/06

    東野圭吾さんの本を読んだことがない人に、どれか一冊だけ薦めるとしたら、これです。
    「ガリレオ」シリーズを読んだことがない人でも、問題なく楽しめると思います。

    天才的な頭脳を持ちながら、高校の数学教師に甘んじてアパート暮らしをしている、どこかパラノイア的なところがある男「石神」と、彼の旧友でもある探偵ガリレオの頭脳戦。

    序盤を読んで、トリックが分かったと思った人は、最後に「あっ」と驚かされます。
    途中でトリックが読めた人でも、ヒロイン靖子の心の動きにぐっと来るでしょう。

    石神の人物像も面白いですが、作者は女性の心理を描くのが本当に上手いです。
     
  • かなり面白かったです。直木賞に値する作品! ... 2010/01/25

    引き込まれ、すぐに読破しました。
    非常に面白かったです。

    この作品に限らず、東野圭吾さんの作品は表現が直接的で、
    揶揄や読者に想像させるところが少なく、小説っぽくないとか
    低レベルとあまり良くない感想を述べられる方もいらっしゃいますが、
    逆にそこが一番の良さでもあると私は思っています。
    仕事等さまざまなことでなかなか纏まった時間を読書に充てられない人にとっては
    東野さんの作品は少し間をおいてもすぐにまた本の世界に戻ることができやすく、
    大変重宝しています。

    また、必ずといっていいほど、意外な展開をいくつか用意してくれますし、
    読後にさほど重くない(たまに重い命題のものもありますが)程度、
    人生を考えさせるような読後感を与えてくれます。

    この作品もそう、最後の最後の文章、
    犯人がとった行動にあなたは何を感じるでしょうか。

    もう一度読みたくなる作品です。